紅麹(べにこうじ)

紅い発酵食品
「紅麹」の知られざるパワー

紅い発酵食品「紅麹」の知られざるパワー

紅麹(べにこうじ)

紅麹の成分と作用

Component and the effect

紅麹の発酵によって生み出される
成分が実にパワフル!

紅麹は蒸した米に紅麹菌(ベニコウジカビ/Monascus属カビ)を混ぜ入れ、発酵させた米麹。発酵によって鮮やかな赤い色素が生まれますが、それ以外にもさまざまな成分が産出されます。しかも、その成分は、かなりパワフル! GABA(γ-アミノ酪酸)やモナコリンKなど高い有効性が実証された機能性成分が含まれているのです。モナコリンKはコレステロールの抑制作用が、GABAは血圧低下、リフレッシュ効果などが知られています。赤い色素成分にも抗酸化作用があり、色々と健康に役立つ可能性を秘めています。

※“M.”は“Monascus”の略です。

紅麹菌(ベニコウジカビ/Monascus属カビ)
紅麹菌(ベニコウジカビ/Monascus属カビ)

紅麹の発酵によって
生み出される成分

紅麹菌は、発酵することで赤い色素など新しい成分を生み出しますが、
それが実に独特で、非常にパワーのある成分だったのです。

紅麹由来ポリケチドとは

悪玉コレステロールを下げる紅麹由来ポリケチド

紅麹由来ポリケチドは、お米を紅麹菌よって発酵させることで作られるポリケチド類の総称で、モナコリンKや、紅麹色素などを含みます。血中のLDL(悪玉)コレステロールを下げる作用が確認されており、「米紅麹ポリケチド」「紅麹ポリケチド」などの名前で、機能性関与成分として機能性表示食品に用いられることもあります。

小林製薬では、特許を取得したオリジナルの紅麹菌を使用し、伝統製法とバイオテクノロジーの融合による独自製法により、紅麹由来ポリケチドを豊富に含む紅麹を生産しています。


モナコリンK とは

悪玉コレステロールの合成を抑える
モナコリンK

1979年、東京農工大学の助教授(当時)・遠藤章氏によって、紅麹菌(Monascus ruber M1005 )から、高いコレステロール抑制効果を持つ成分が発見されました。その成分がモナコリンK。モナコリンKはその後の研究を経てコレステロール抑制剤(スタチン剤)として発売されました。
コレステロールの約8割は肝臓で生成されます。モナコリンKは肝臓でのコレステロールの生成を抑えるため、強いコレステロール低下作用を示すのです。モナコリンKは、総コレステロールとLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を下げますが、HDLコレステロール(善玉コレステロール)は下げないため、モナコリンKは、肝臓で作られるコレステロールの量とバランスを健康な状態へとコントロールする作用があるのではと考えられています。

モナコリンKイメージ

アセチルCoAから始まるコレステロールが作られる過程で、モナコリンKは、HMG-CoAという還元酵素に作用して、コレステロールの生成を抑制。
その結果、LDLコレステロールと総コレステロール値を下げるのです。


紅麹色素とは

赤い色素が善玉コレステロールを増やす?
今後の研究にも期待!

紅麹の赤い色は天然の色素。しかもこの色、発酵過程で、黄色系やオレンジ色系、赤色系の複数の色素が混ざってできた色。これらの色素は、天然の食品色素としてかまぼこなどの練り製品などに利用されています。
紅麹色素には、抗酸化作用や、抗炎症作用、抗菌作用があることが知られています。さらに近年の研究で、善玉コレステロールを増やす作用など、様々な作用が明らかになりつつあります。

紅麹の色素成分は複数ある。黄色系のモナスシンやアンカフラビン、オレンジ色系のモナスコルブリン、赤色系のモナスコルブラミンなど3種類の色素が混ざり合ってできた色。

GABAとは

血圧を下げ、ストレスを緩和するGABA

紅麹の発酵過程で生まれる成分の一つにGABAがあります。GABA(ギャバ)は、γーアミノ酪酸という、アミノ酸の一種で、発芽玄米やカカオなどに多く含まれます。GABAには、血圧を下げたり、ストレスを緩和したり、学習機能や集中力を高めたりする作用があることがわかっており、すでに様々な特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品が発売されています。
紅麹に血圧を下げる効果があることが確認されていますが、その作用はGABAによるものと考えられています。

また、GABAには、脳の神経伝達物質として、脳内の血流を良くして脳細胞の代謝機能を高める働きがあることが知られています。紅麹GABAが学習機能の向上に役立つというマウスを使った研究結果も報告されており、紅麹による気力・活力の低下改善や学習機能向上効果も期待されています。


シトリニンとは

腎毒性のある有害成分
小林製薬の紅麹には含まれません!

シトリニンとは、食品の生産において使われる様々な菌によって生産されるカビ毒の一種で、腎毒性を持つことが知られています。
紅麹菌の中にも、シトリニンを生産するものが存在しており、実際に市販されている紅麹米サプリメントからシトリニンを含むものが複数見つかったという報告がありました。現在、欧州委員会規則(EC)においては紅麹由来のサプリメント中のシトリニンの基準値が100μg/kg以下に規制されています。

小林製薬では、紅麹のゲノム解析を行い、シトリニンを作る遺伝子を持たない紅麹菌を見出しました。シトリニンを作ることのできない紅麹菌を使用しているので、小林製薬の紅麹にはシトリニンが含まれません。

紅麹研究が明らかにした
紅麹の健康効果

多様な有用成分を含む紅麹。
実際に紅麹を使った実験で、様々な効果があることが証明されています。

紅麹のコレステロール低下作用

悪玉コレステロールの増えすぎが、血管壁への脂質の蓄積を招く

LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)は、肝臓から血液を介して全身にコレステロールを運びます。数値が通常の範囲であれば問題ないのですが、血液中のLDLコレステロールが増えすぎると、余分なコレステロールが血管の壁に蓄積してプラーク(こぶ状の脂質の塊)を作ってしまうので、リスクが高まります。

紅麹は、悪玉コレステロールを減らす

悪玉コレステロールが高め(120~139mg/dL)の成人男女60人を、紅麹100㎎入り食品を飲むグループ、紅麹の入っていない食品(プラセボ)を飲むグループに無作為に分け、毎日、12週間続けて飲んでもらったところ、紅麹入りの食品を飲んだグループでは、1週間でLDLコレステロール(悪玉コレステロール)および総コレステロールが有意に下がりました。12週間以降は飲むのをやめたところ、再び数値が上がりました。

これまでに紅麹のコレステロール低下作用を証明した臨床試験はいくつか報告されていますが、効果が現れるのにかかる期間はものによって4週間、8週間と様々です。今回、小林製薬の紅麹は、たった1週間で効果を示すということが明らかになりました。

紅麹摂取によるコレステロールの
抑制効果実験
グラフ

紅麹のL/H比低下作用

L/H比は血管の健康状態の目安

L/H比とは、善玉コレステロール(HDL-C)と悪玉コレステロール(LDL-C)の比率を示したもので、LDLコレステロール値をHDLコレステロール値によって除した計算式によって求められます。
この数値と血管の健康リスクに相関が見られることから、血管の健康状態をはかるひとつの指標になると考えられており、L/H比は2.5以下に保つことが望ましいと言われています。

紅麹はL/H比を下げる

悪玉コレステロールが高め(120~139mg/dL)の成人男女60人を、紅麹を含む食品を飲むグループと紅麹を含まない食品を飲む(プラセボ)グループに無作為に分け、毎日、12週間続けて飲んでもらったところ、紅麹入りの錠剤を飲んだグループのL/H比が有意に下がりました。

L/H比
摂取12週間後のL/H比変化量
グラフ

紅麹の降圧作用

高めの血圧は、血管に負担をかけ続ける

高めの血圧は、喫煙と並んで、日本人の健康リスクに最も大きく影響する要因と言われています。高めの血圧を放置すると、血管に負担がかかり続けることで、血管が傷みやすくなったり、血管の壁への脂質の蓄積を助長することで、血管の柔軟性を低下させたりするため、リスクが高まります。

紅麹摂取は、高めの血圧を下げる

成人男女29人を、紅麹入りドリンクを毎日2本(紅麹27g相当)飲むグループと、紅麹の入っていないドリンクを毎日2本飲む(プラセボ)グループに無作為に分け、8週間続けて飲んでもらったところ、紅麹入りのドリンクを飲んだグループの平均血圧が有意に下がりました。

紅麹エキス入りドリンクを
毎日2本飲んだ群の平均血圧
グラフ

日腎会誌 38(12);625-633, 1996


紅麹が血の濁りをキレイにする

血漿(けっしょう)の白濁はリスクの予兆?

一般的に、脂肪やコレステロールの多い食事をとり続けると、本来透明な血漿成分が白く濁ることが知られています。この濁りの原因は、カイロミクロンやVLDLといった大型リポタンパク(中性脂肪やコレステロールがタンパク質と結びついた複合体)です。これら大型リポタンパクが増えると、血液の粘度が上昇、つまりドロドロ状態になります。また、この大型リポタンパクが分解される時に、「超悪玉コレステロール」とも呼ばれる「レムナント」が発生します。つまり、血漿が白濁している状態は、健康リスクが高まっている状態であると考えられます。

紅麹は、血漿の白濁を改善する

2週間の高コレステロール食負荷により血漿を白濁状態にしたウサギに、高コレステロール食と共に紅麹を3週間投与した所、紅麹を投与しなかったグループより有意に血漿の透明度が高くなりました。

紅麹が血の濁りをキレイにする
Molecules, 26(6); 1619, 2021 (画像提供:小林製薬㈱)

おさえておきたい
紅麹選びのポイント

一口に「紅麹」と言ってもその特徴は様々。
よい紅麹を選ぶために抑えておきたいポイントを紹介します。

有用成分の種類と量

紅麹は、使用した紅麹菌の種類、製造法、発酵期間によって、有用成分の種類や量が変わることが知られています。たとえば多くの場合、着色のために使用される紅麹ではコレステロールの低下作用は期待できません。自分の目的にあった成分を十分含む紅麹を選びましょう。

後加工の有無

発酵によって得られた有用成分の量が少ない場合、エキス化や濃縮などの後加工がされることがあります。このような後加工を行ったものは、長い食経験(多くの人に食べられてきた歴史)を持つ本来の「紅麹」と同じとは言い切れません。

小林製薬では、自社研究に基づき成分ごとに適した紅麹菌を厳選し、使用しています。そのため、後加工を行わなくても、十分な成分量を確保できるのです。なかでも、ポリケチド(モナコリンK)をよく作る紅麹菌は特許も取得しています。(特許第5283363号)

安全性(シトリニンフリー)

紅麹菌の中には、人への健康被害があるカビ毒(シトリニン)を生産するものが存在しています。シトリニンを含む紅麹には危険性があるとして、欧州委員会規則(EC)においては、紅麹由来のサプリメント中のシトリニンの基準値が100μg/kg以下に規制されています。安全のため、シトリニンを含まない紅麹を選びましょう。

小林製薬では、シトリニンを作る遺伝子を持たないことが確認された紅麹菌を使用しているので、シトリニンが含まれるリスクがありません。

製造場所

現在、中国、台湾、韓国など主にアジア地域を中心に、世界中で紅麹が作られています。
食品の製造がグローバル化している今、その衛生管理レベルを向上させていくことが世界各国の共通課題となっており、特に健康のためのサプリメントに使用する原料は、製造環境等の衛生管理が強く求められます。

小林製薬の紅麹は、100%国内製造。自社工場でHACCPに基づいた衛生管理を行っています。

コレステロールが気になる方に
紅麹がおススメな理由

コレステロールを下げる成分や方法は色々ありますが、
紅麹を選んでほしい理由があります。

体内のコレステロール
体内のコレステロール

コレステロールのほとんどは肝臓で作られる

毎日の食事から摂取しているイメージの強いコレステロールですが、実は体内のコレステロールのうち、食事から吸収されているのはたったの3割ほどで、残りの7割は肝臓などでつくられています。その上、食事由来のコレステロールが減ると体内での合成を増やすよう働くため、コレステロール対策には食事のコレステロール制限と共に肝臓ケアが重要と言われています。

紅麹は肝臓でのコレステロール合成を抑える

紅麹由来のポリケチド(モナコリンK)には、肝臓でのコレステロール合成を抑える働きがあります。

毎日に紅麹を。

本サイトでは、紅麹を使ったレシピを紹介しています。ぜひあなたの毎日に紅麹のパワーを取り入れてみてください。食事に取り入れるのが難しければ、サプリで手軽に摂取することもできます。毎日続けての摂取が効果的です。